ご挨拶

一般社団法人 日本写真学会
会長 中野 寧
コニカミノルタ

2019年に向けて: 明日の日本写真学会

日本写真学会の会員の皆様におかれましては,研究会,セミナーを通じて,日々ご活躍のことと思います.改めて深く感謝申し上げます.また,このホームページ (HP) をご覧になっている非会員の方々は,写真学会の活動に関心を持たれた方と思われます.是非,お読みいただき,HP内の種々サイトをみていただければ幸甚です.

さて,小職は,2018年6月に総会にて新会長を拝命し,今年より,新たな体制で臨む所存でおります.現在,写真学会は会員数およそ700名程度の所帯ですが,毎年入会者がおられ,活動の幅を広げようとしているところです.

The Society of Photography and Imaging of Japan in the Future

また,学会周囲の環境としては,日本画像学会前会長の半那純一東工大名誉教授が,2014年に画像連合の構想を提案され,『画像関連学会連合会』が発足し,活動しています.小職は今年度より,その議長を拝命いたしました.連合体は,『日本画像学会』『日本印刷学会』『画像電子学会』,そして『日本写真学会』から構成されています.イメージング(画像,写真,印刷,画像処理)の共通の話題を年次大会で発表し,深めています.実際に,毎年,多くの会員が参画しています.

本学会 (日本写真学会) は大正15 (1926) 年創立の歴史ある学会です.ほぼ同時期の1923年に東京写真専門学校 (現東京工芸大学) が創立されています.当時の写真技術に対するニーズは軍用から端を発していたとも思われますが,一方で当時の写真は先達にとって,現代の8Kテレビがごとく,最先端の技術を凝縮した,大きなポテンシャルを持ったものではないかと思います.実際に,写真の科学的原理,製造プロセスの観点からみると,そこには,奥が深いものがありました.その先見性には,感銘を受けます. 

実際に,この90年間に写真イメージングの技術は大きな発展を遂げました.国産初の銀塩写真フィルムや印画紙は,その後のカラー化に伴い大きな写真産業となり,1990年代にはデジタルカメラが発売され,当学会も常にその在り方や意義について議論をし,写真学会の改革に尽力してきました.   

驚くべきことに,銀塩材料ビジネスが失われながらも,当学会を応援し,『写真』そのものに興味を持つ多くのファンが存在することがわかりました.そこには,『写真』への熱意と信頼のようなものがありました.一時,『写真』という言葉には,古い言葉というイメージが,『デジタル』という言葉には,新しいという言葉のイメージがあったようですが,当学会は,議論の末,『写真』という言葉を捨てませんでした.

ここ数年,日本写真学会が掴みかけている,1つの結論は,『写真というそのものの本質と魅力』です.写真(イメージングテクノロジー)が持つポテンシャルに着目しようというものです.最近10年間の当学会での新しい活動の事例を紹介します.

  • 『アンビエント技術研究会』: 画像(入出力)をもっと生活の身近なところで,利便性を発揮させるための技術研究を行う.
  • 『科学写真研究会』: 宇宙線を利用した宇宙の構造の解明や大型構造物の透視に最適な,3次元高解像度センサーとしての写真フィルムの研究開発を行う.
  • 『写真好きための講演会』: 写真の持つ魅力を学術や技術の要素を取り入れながら楽しむ,講演会,見学会.
  • 『写真のエキスパート; プリントコース』: アカデミアと企業に支援を受けながら,視覚,感性の学習,オリジナルプリントの鑑賞といった座学も含め,高いレベルでの写真プリント制作を行うワークショップ.
  • 『天体写真技術研究会』(2015年開始): よりハイレベルの天体写真を作るための天文,撮影,観察の知識を学術的に研究する.
  • 『教育への写真応用研究会』(2018年開始): 写真を鑑賞したり,撮影することから受ける印象や感想を,いろいろな状況にいる子供たちの教育に活用する.

いかがでしょうか.会員の方々,非会員の方々,そして学生の方々にとって,画像・写真は一生楽しめ,学べるフィールドです.ご自身の仕事の範囲を広げ,趣味の範囲を深め,多くの師や交友を持つことができます.先に述べた『画像関連学会連合会』にも参加が可能です.さらに国際会議 (ICAI:  International Conference on Advanced Imaging)も予定しています.是非今後の日本写真学会の活動にご注目いただきたく,お願い申し上げます.